暗号化は、ひとつのワークスペースの内容を、ディスク上で読み取れない雑音に変えます。VanX は書き込む前に各項目を AES-256-GCM で封じます。鍵はこの Mac 上で導出され、どこにも送信されません。データベースファイルを別のマシンにコピーしても、何も取り出せません。
守られるのは保存されたファイルであり、画面ではありません。VanX が動作していて鍵が使える間は、暗号化されたワークスペースもほかと同じように見え、同じようにふるまいます。暗号化は、あなたのクリップボード履歴と、生のデータベースに手が届く者との間に立つものです。盗まれたノートパソコン、同期されたバックアップフォルダ、フォレンジックのディスクイメージ。
空のワークスペースにしか有効にできない理由
暗号化は項目が書き込まれるときに適用されます。すでに保存された項目をさかのぼって処理する移行はありませんし、それを設けるのは別種の偽りです。処理が走っている間、ワークスペースは暗号化済みだと名乗る一方、内容の大半はまだ平文のままであり、途中でクラッシュすれば混在したまま残ります。そのため VanX は、すでに項目のあるワークスペースではこのスイッチを拒みます。既存の内容を保護するには、新しいワークスペースを作り、空のうちに暗号化して、項目を移してください。
決して解除できない理由
暗号化されたワークスペースに書き込まれた項目は、すべてひとつの約束のもとに書き込まれました。その約束をクリック一つで、鍵も儀式もなく取り消せるスイッチがあるなら、約束にはもともと大した価値がなかったことになります。ですから復号ボタンも、隠しコマンドも、代わりに実行するサポート手続きもありません。この内容を暗号化しない形で使いたい場合は、暗号化されていないワークスペースへ移動してください。移した項目はそちらで平文として書き直され、あなたは項目ごとに、意識してその選択を行うことになります。
日々の使い勝手はどう変わるか
暗号化されたワークスペースでの検索は、遅く、素朴になります。暗号化された文字列は索引化できないため、全文検索と意味による検索はそこでは無効になり、VanX はメモリ上で復号したうえで単純な単語一致を行います。平文の JSON・CSV の書き出しは、保護された内容を無防備なままディスクへ書き戻すのではなく、既定でそのワークスペースを除外します。代わりに暗号化された .vanxenc アーカイブを書き出してください。また、暗号化されたワークスペースのクリップが個人ワークスペースへ複製されることはありません。
暗号化と、書き出しからの除外は別物です
「セキュリティ」画面のもうひとつのスイッチ「ポータブル書き出しに含める」は、ワークスペース暗号化とは無関係で、いつでも元に戻せます。制御するのは JSON・CSV 書き出しと暗号化された .vanxenc アーカイブだけで、項目を削除したり暗号化したりはしません。VanX の暗号化されたオンデバイス復元スナップショットは別で、常にこのワークスペースを含むライブラリデータベース全体を保存します。